来年に迫った東京オリンピックですが、実施種目数が実は339種目もあります。殆どの方はその数に驚かれるかも知れませんが、これはつまり一般的に知られていない多くの競技がオリンピックでおこなわれている、と言うことを意味します。そしてこれから紹介するボート競技も、その内の一つと言っていいのかも知れません。
歴史のあるオリンピック競技
これは意外なことかも知れませんが、ボート競技はオリンピックにおいて長い歴史を持つ競技です。最初にボート競技がオリンピックに採用されたのは第2回パリ大会になりますので、そのオリンピック競技としての歴史はざっと100年以上になります。ただ日本においてこの競技がクローズアップされることは今までありませんでした。それは日本がこの競技において弱かった、と言う意味でもあります。
日本が過去のオリンピックで残したボート競技の成績でもっとも良かったのは、2000年シドニー大会と2004年アテネ大会での男子6位が最高です。これまでメダル圏内を狙える位置で戦ったことはありませんでした。そして今回の東京オリンピックも、実はまだ出場できるかどうかわかりません。
東京オリンピック出場権獲得のために
ボート競技は男女それぞれ、シングルスカル、舵手なしペア、ダブルスカル、舵手なしフォア、クアドルプルスカル、エイト、そして軽量級ダブルスカルの7種目で争われます。そして日本はまだどの競技においても出場枠を獲得していません。2019年8月におこなわれた世界選手権リンツ大会で日本は出場権獲得を目指しましたが、富田千愛の活躍はあったものの残念ながら獲得できませんでした。
しかし出場枠獲得のチャンスはまだ残っています。2020年4月におこなわれるアジア・オセアニア大陸予選、そして同5月におこなわれる世界最終予選がそれです。まだまだ希望は残されています。
強力なライバルたち
ただしもしオリンピックの出場が叶ったとしても、強力なライバルたちが待ち構えています。ここ3大会連続で強さを見せつけているイギリスやルーマニア、そしてドイツなどです。またアジアの雄、中国も侮れません。そんな彼らへの挑戦権を得るために、日本は来年も必死の戦いを続けていくことになるのです。