水球は、夏季オリンピックにおいて人気の高い競技の1つです。その最大の魅力は、「水中の格闘技」と呼ばれるその激しさにあります。筋骨隆々とした選手たちが、その身体能力を活かし、激しく戦うスポーツが水球なのです。

水球の基本ルール

Waterpolo Rules

1チームは1人のゴールキーパーと、6人のフィールドプレーヤーで構成されます。選手交代は何回でもできますが、交代は得点時、タイムアウトの時、またはピリオド間の休憩中に限られます。得点は、ボールをゴールに入れれば1点とシンプルです。試合時間は1ピリオドを8分とし、第4ピリオドまで戦います。そして、最後の第4ピリオドが終了したときに、得点の多かったチームが勝利となるのです。

水球の注目ポイント

水球のおこなわれるプールは水深が2m以上あるため、選手は常に立ち泳ぎを続ける必要があります。この競技がどれほど肉体的にハードなのかが、そのことからでも窺い知れます。

また、彼らが繰り出すシュートは、時速約80㎞にも達します。立ち泳ぎの状態なので、ほぼ上半身の力だけで400グラムを超える重さのボールを、このスピードで投げるのです。最後に水球が何故「水中の格闘技」と呼ばれるかというと、それは審判からは確認しづらい水中での激しいバトルがあるからです。お互い反則にならないように、掴み合うのは当然で、打撃は反則ですが、水中の中で起きていることは分かりづらいため、お互い蹴り、蹴られるのが当たり前なのです。

オリンピックにおける水球

水球はイギリス発祥のスポーツで、19世紀半ばに始まったといわれています。1888年にアマチュア水泳連盟によって水球のルールがほぼ現在の形として策定され、それ以後盛んにおこなわれうようになりました。

オリンピックで初めておこなわれたのは、1900年の第2回オリンピックであるパリ大会です。つまり、オリンピックのおける歴史でも、水球は120年の歴史があるということになります。もっとも金メダルを獲得している国は、意外にもハンガリーで、2000年シドニー大会からオリンピック3連覇も果たしています。2012年ロンドン大会ではクロアチア、2016年リオ大会ではセルビアが金メダルを獲得と、旧東欧諸国の強さが目立つ競技が水球なのです。

女子の水球がオリンピック種目になったのは、2000年シドニーが初めてで、まだ5回しか競技はおこなわれていません。そんな中でも全ての大会でメダルを獲得し、最近2大会を連覇しているアメリカ女子チームの存在は際立っています。