今や日本のお家芸の一つとなった日本競泳陣。実際、日本競泳陣がオリンピックで獲得した総メダル数は80個にも及びます。これはアメリカやオーストラリアなどの名立たる水泳強国に続き、5番目に多い数字です。
紆余曲折あった日本競泳の歴史
日本競泳の歴史は決して順風満帆ではありませんでした。初めてオリンピックに参加した1920年のアントワープ大会、続く1924年パリ大会では、日本はメダルを獲得することができませんでした。しかし、1928年に開催されたアムステルダム大会では、鶴田義行が男子200m平泳ぎで日本人初の金メダルを獲得。翌年のロサンゼルス大会では金メダル5個、総メダル数12個を獲得しました。さらに、1936年のベルリン大会では金メダル4個、総メダル数11個を獲得し、最初の黄金時代を築いたのです。
だが、その後世界情勢が悪化し、第2次世界大戦が勃発。オリンピックはベルリン大会から12年間開催することができませんでした。日本は戦後初となった1948年ロンドン大会も敗戦国であることを理由に参加が認められず、それが世界記録保持者、「フジヤマのトビウオ」古橋廣之進の悲劇を生むことになってしまいます。
そして暫く低迷が続いた日本競泳陣が再び表舞台に戻ってくることになります。それが2000年シドニー大会でした。1996年のアトランタ大会でメダル獲得0という屈辱的な結果に終わった日本は、捲土重来し、金メダルこそ獲得できなかったものの4つのメダルを獲得。そして、2000年のアテネ大会では、なんと32年振りに複数の金メダルを獲得し、第2の黄金時代への門を開いたのです。
東京オリンピック期待の星
東京オリンピックで最もメダルが期待されている選手は、オリンピック前哨戦とも言われた2019年の世界選手権で男子200m、400m個人メドレーの2種目で金メダルを獲得した瀬戸大也です。彼に加え、個人メドレーでは不振のため暫く休養していたリオ大会の金メダリスト萩野公介もオリンピックを目指し現在奮闘中です。さらに、世界選手権男子200m自由形で、史上初の銀メダルを獲得した松元克央にも大きな期待がかかっています。
立ちはだかる世界の強豪国
そんな日本代表を世界の強豪国が手ぐすね引いて待ち構えています。前回のリオ大会で16個の金メダル、総メダル数33個と圧倒的な強さを見せた水泳大国アメリカ。今回もケレブ・ドレセルをはじめ、強力なメンバーを揃っています。
また、世界選手権のリレーにおいてアメリカと互角以上の戦いを見せたオーストラリアも大きな壁となるでしょう。それ以外にも、イギリス、ロシア、中国など、手強いライバルばかりです。しかし、日本には地元開催という地の利があります。オリンピックで日本競泳陣が躍動することを大いに期待しましょう!